本年11月より全国および東京都の急激な感染者数増加に伴い、世情が再び大きく変化したため、合唱活動についても変容を受け入れ、より一層皆様の生命と健康の安全を図ることが重要になってまいりました。
そこで改めて当団の合唱活動についてガイドラインを定めましたので、ここに公開いたします。
はじめに
本ガイドラインは、一般社団法人全日本合唱連盟が令和2年11月26日に策定した、『合唱活動における新型コロナウイルス感染症拡大防止のガイドライン第2 版』をもとに、現時点で実施もしくは考慮すべき合唱活動における新型コロナウイルス感染症の拡大防止について、当団でさらに検討を重ねた指針や遵守事項を改めて整理し示したものです。
合唱活動は、多様な人々が言葉と音楽を通じて交わることで、様々な局面で、日々の営みに潤いや活力をもたらす文化芸術の一翼を担うものであり、同時に人々の健康資源でもあります。そのため、このたび当団では、活動を停滞させるのではなく、現状の課題に真摯に受け止め、向き合いつつ活動を継続し将来に繋げていくことを選択しました。しかしながら、開口・発声に伴う飛沫の拡散が感染拡大に大きな影響があると言われている中、多数の人間が集まって区切られた室内で発声を伴う練習や演奏を行う合唱が、常に感染リスクと隣り合わせであることを、私たちは決して忘れてはなりません。
そのためにも、合唱活動における感染リスクを十分に理解し、そのリスクを回避するための慎重かつ適切な行動が強く望まれます。願わくは、ここに本ガイドラインを策定することで、皆さんが少しでも不安なく安全に合唱活動に参加できるようになれば幸いです。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染状況は、地域、年代、属性等によって様々で、この感染症が、今後どのように変化し、社会生活にどのような影響を及ぼすのか、まだまだ予断を許しません。今後、当団を取り巻く社会環境や、行政当局ならびに音楽業界の方針に変化がみられた場合は、その都度状況に応じた対応が求められることから、今後において本ガイドラインの内容を一部変更する可能性があることをあらかじめご承知おきください。
- 本ガイドラインに掲げた項目は、全日本合唱連盟の策定した『合唱活動における新型コロナウイルス感染症拡大防止のガイドライン』の中に記載されている 『 3 - (5) 合唱活動で考えられる新型コロナウイルスの感染リスクと対策の骨子』に準拠したものに、当団独自の対応を加えたものです。
対面練習の実施に関わる団運営の判断基準
対面練習を実施するにあたり、当団においては、東京都が毎週木曜日に発表するモニタリング会議の公式コメント及び政府の発出する宣言等を一定の判断基準とし、下記のように対応する。
なお、情勢が急速に変化し、明らかに事態が悪化の方向に進んだ、あるいは進む兆候が見られる場合はこの限りにはなく、団長が指導者や運営委員の意見を踏まえた上で対応を判断する。
① 警戒レベル1〔緑〕通常の対面練習を行える。
② 警戒レベル2〔黄〕十分なスペースがあり効果的な換気ができる場所で対面練習を行える。
③ 警戒レベル3〔橙〕ミレニアムホール以外は、参加人数を制限した対面練習を行える。
④ 警戒レベル4〔赤〕ミレニアムホールでの参加人数を制限した対面練習以外は全て中止する。
⑤ 緊急事態宣言発出 全ての対面練習を中止する。
なお、対面練習を中止とする際は、オンラインによるリモート練習に切り替え、遅くとも練習実施日の2日前までに、その旨が団員に伝達される。
利用施設に関わる事項
〔1〕 使用できる施設
十分なソーシャルディスタンスが確保でき、かつ換気が容易で、感染防止対策についての方針が明確な台東区内の公共施設を利用するものとし、全面的な終息宣言が発出されるまでは、使用できる会場を下記に限定し、使用優先順位を次のように定める。
1)台東区生涯学習センター・ミレニアムホール(定員300 名)
2)金杉区民館下谷分館ホール又はこれに準じる区民館ホール(定員約100 名)
3)根岸社会教育館ホール(定員50 名)
〔2〕 施設の使用方法
施設の使用にあたっては、行政や各施設のガイドラインに従う。
また、消毒液や体温計等、来場者の健康管理に関する備品が当該施設から提供されない場合は当団で用意する。
〔3〕 参加者の人数制限
いわゆる3密を避けるため、前述の警戒レベルおよび当日使用するホールの規模に応じ、1回の練習参加人数を制限する。
なお、参加人数の事前把握のため、対面練習を欠席する際は、必ず練習開始前に所属するパートの運営委員に連絡をすること。
① 人数を制限する場合の最大参加可能人数
a) ミレニアムホール:50名
・各パート共に、原則としてコアメンバーをバランスよく配置した2班に分ける。
・全体の参加予定者が50名に満たないことが見込まれる場合は、特に班分けはしなくてもよい。
b) その他のホール :30名
・ミレニアムホールと同様に班に分け、その内訳をおおよそ次の通りとする。
<ソプラノ> 10名程度
<アルト> 10名程度
<テノール> 5名程度
<ベース> 5名程度(休団者の状況から当面は全員参加を可能とする。)
② 練習人員の確保
運営委員は、毎回必ず定時に出席し、練習開始後になっても②の人数に著しく満たない場合は補充要員として参加する。
なお、練習開始後は、途中参加者の人数に応じて、先行の委員メンバーは順次並びから抜け、後方で見学または受付等の事務作業に従事する。
日常の健康管理に関わる事項
〔1〕 名簿管理
感染時の連絡先を明確にするため、練習開催日毎に出席者名簿を作成し、氏名と連絡先を記録に残しておく。
〔2〕 健康管理
活動前1 週間における下記項目の有無を、あらかじめセルフチェックしておく。
a) 平熱を超える発熱が数日にわたりあった。
b) 激しい咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、味覚・嗅覚障害、眼の痛みや結膜の充血、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐の症状があった。
c) 新型コロナウイルス感染症陽性とされた者との濃厚接触<注1>があった。
d) 同居家族や身近な知人に感染が疑われる者がいた。
e) 過去14日以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国や地域等への渡航または当該在住者との濃厚接触があった。
なお、上記項目に一つでも該当する場合は、かかりつけ医や居住する自治体の各種相談窓口に相談し対応を図り、検査等の結果、感染陽性と判明した場合は団長に報告する。
<注1> ここでいう『濃厚接触』とは、国立感染症研究所による次に掲げる定義に準拠する
・患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった
・適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護若しくは介護していた
・患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い
・その他: 手で触れることの出来る距離(目安として1 メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と15 分以上の接触があった(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。
当日の練習前後に関わる事項
〔1〕 対面練習参加の可否 (団員及び団関係者個人の判断基準)
練習当日において、下記に該当する場合には、対面練習への参加を見合わせるものとする。
① 本ガイドラインのp.3「日常の健康管理等に関わる事項」の「〔2〕健康管理」において該当する項目が一つでもあったとき
② 対面練習への参加に対し、不信感・嫌悪感等の心理的な抵抗を覚えるとき
③ 家族や知人、勤務先や学校等所属する団体からの制止があったとき
〔2〕 練習参加時の体調チェック
練習会場に入場する前の受付時に、非接触体温計による検温を実施し、37.5℃以上が計測された場合には出席者名簿にその旨を記載し、練習参加を不可とし直ちに帰宅させる。
〔3〕 マスク等の装着
飛沫拡散防止のため、マスク等の正しい装着を徹底する。
① マスクは、下部の開放が広い形状で飛沫が自身の足元に落下する懸念のあるものはなるべく避け、タオルやハンカチ類を簡易的にマスクとして代用することやマウスシールド着用のみでの練習への参加は不可とする。
なお、下部開放が広いものでも合唱用途に作られたものは、体に密着させたり開口部を縛る等、飛沫落下を防止するための適切な処置を施すことで使用可能とする。
② マスクは、練習中はもとより、待機・休憩中を問わず常時着用する。
③ マスク着用時においても、いわゆる咳エチケットは励行する。
④ 喉の保湿のため、飲み物や飴類を摂取するときは、非装状態の時間がなるべく短くなるように努める。
〔4〕 衛生管理
① 入場または着席前には、必ず十分な手洗いか備え付けの薬剤による手指の消毒を行う。
② 入場受付時に行列ができた場合は、前後の距離を一定上確保し不要不急の会話は避ける。
⓷ 個人で使用したティッシュペーパーやウェットタオル等は、各自で持ち帰るものとし、施設のごみ箱には絶対に捨てない。
④ 練習会場に入ったら、むやみに備品に触れることのないように注意する。特にピアノ等の楽器や譜面台、指揮台には、許可なく触れてはならない。
〔5〕 会場設営・撤収
運営委員による当番を決め、交代で受付係(2名)と会場設営係(数名)を務める。
なお、受付係は参加者の出席名簿への記録と体温のチェックを行う。
〔6〕 備品の取り扱い
① 施設から指示のある場合は、練習終了後に、各自が使用した椅子等の消毒を行ってから退出する。
② その他の備品類の消毒は、当日の当番委員が行う。
〔7〕 配布物・回覧
団運営から配布物がある場合は、手から手への受け渡しを避けるよう配慮する。
〔8〕 ミーティング
参加者同士の対面での距離を一定以上確保し、なるべく短時間で済ませるようにする。
〔9〕 休憩
① 休憩時の会話は必要最小限とする。
② 飲食物の配布や共有は行わないこと。
〔10〕 練習後の会食
① 警戒レベルが1以下にならない限りは、団主催のものは実施しない。
② 個人的な会食や喫茶は極力少人数で、2時間以内に収める。ただし、行政からの強い要請が発出された場合は自粛する。
③ 極端に混雑・密接のある店舗は避ける。
④ 警戒レベルが1以下にならない限り、複数人でのカラオケ店への出入りは禁止とする。
当日の練習時に関わる事項
〔1〕 指揮者・伴奏者・合唱団員の配置
① 指導者・伴奏者と合唱団員とのそれぞれの距離は、2m 以上の適切な距離を確保する。
② 団員が並ぶときは、前後の間隔を最低1.2m 以上とり、可能であれば前列と後列が交互に並ぶようにする。
〔2〕 準備運動等のウォーミングアップ
① 発声は伴わないものとする。
② 身体的接触のないよう注意する。
③ 塵埃が舞うような、激しい動きは避ける。
〔3〕 練習中
① 咳エチケットを励行し、喉に異変を感じたときは無理をしないで休む。
② 指導者の指示がない限りは発声しない。特に練習に関係のない私語は厳禁。
③ ホールでの飲食は原則禁止ではあるが、喉の保湿を行うための最低限の飲み物や飴類の摂取は認める。
④ 楽譜の共有は一切禁止する。
⑤ 団所有の楽譜を借りた場合は、使用後は消毒してから返却する。
〔4〕 発声指導・歌唱指導
① 身体的接触のないよう注意する。
② 団員との距離が近い場合は、マスクとフェースシールドを併用する。
〔5〕 換気
① 練習中は、機械換気等による循環換気や、間接換気などで常時通気性を確保する。
② 練習開始1時間後の休憩時に扉や窓を5分以上全開放する。
③ 換気に際しては、近隣施設や住民生活、さらには室温低下に伴う参加者の健康状態への影響にも十分配慮する
感染が疑わしい者が発生した場合の対応
対面練習開始後及び終了後に、発熱症状等、感染が疑われる者が出た場合、以下のように対応する。
a)発熱症状等、感染が疑われる者を、速やかに隔離する。
b)発熱症状等、感染が疑われる者への接触を防護する措置を速やかにとる。
c)直ちにかかりつけの医療機関へ連絡し指示を受ける。かかりつけ医がいない場合や、区外の者は東京都発熱相談センター(03-5320-4592)に相談する。
なお、都外在住者については、居住する地域の該当相談窓口に相談する。
d)練習後日に、本人、さらには家族や周囲の知人の感染が明らかになった場合は、居住する地域のガイドラインに沿った対応を行うと同時に、速やかに団長に報告する。
e) 練習後日も含め、本人とその家族、周囲の知人の感染が明らかになった場合は、感染者発生の報告を受けしかるべき当局に届出をした結果、当局による聞き取り等に協力し、必要な情報提供を速やかに行えるよう努める。 但し、マスコミ等からの取材には極力対応はしないこと。
f) 前項において個人情報が当局に提出される場合があることを、予め団員に説明し承諾を得ておく。
g) 対面練習中に感染者が存在したことが明らかになった場合には、明確な感染経路等、事態の詳細が判明するまでは、団の活動は以後休止する。
h) 団の活動に支障が無いことが判明した場合でも、濃厚接触者と認定された団員は、PCR検査等の結果の如何を問わず、感染者発生から以後14日間は練習への参加を見合わせる。
策定・改廃履歴
2020年12月7日 運営委員会にて策定・承認
参考情報
-
都内の最新感染動向 - 東京都
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp -
合唱活動における新型コロナウイルス感染症拡大防止のガイドライン 11月26日 第2版(PDF)- 全日本合唱連盟
https://www.jcanet.or.jp/JCAchorusguideline-ver2.pdf